2022年2月25日付

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新型コロナのまん延防止等重点措置に伴う分散登校だろうか。取材先に向かう車のハンドルを握っていると、昼下がりの思わぬ時間帯に小中学生が歩いている。子どもがいるはずがないという「だろう運転」の危険を再認識した▼日本自動車連盟(JAF)が昨年行った全国調査で、信号機のない横断歩道を通過する車両のうち、一時停止した車は過去最高の30.6%だった。一方で歩行者がいても止まらない車は依然7割に上る▼本県の一時停止率は前年比12.8ポイント増の85.2%。静岡県を21.4ポイント上回り、2016年の調査開始以来、全国1位を独走中だ。歩行者への思いやりだけでなく、対向車が確実に止まると信じ合える社会を作り上げた結果だろう▼大友運送諏訪営業所(諏訪市湖南)は移転新築した8年前、営業所から県道に出る車両の右折を原則禁止した。配送先が右側にある場合、3回左折をして広い道を通る。右折した先には学校があり、カーブが続く狭い道路沿いには家が立ち並ぶ。横断中の高齢者がはねられ、死亡する事故も起きていた▼当時の諏訪営業所部長で豊橋営業所(愛知県豊橋市)教育管理室長の中村浩彦さん(59)=茅野市金沢=は「事故のリスクを回避し、少しでも地域社会に貢献できればと『急がば回れ』をルール化しました」と述懐する。安全は人々の善意と地道な行動の上に成り立っている。改めて肝に銘じたい。

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