中ア駒ケ岳の氷河湖 「濃ケ池」が近年縮小化

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積み上げたばかりの土のう(手前)と水が少ない濃ケ池(後方)=2021年10月5日

中央アルプス駒ケ岳(標高2956メートル)の北東部に位置する、国内での現存が希少な氷河湖「濃ケ池」(標高2660メートル)の面積が近年、縮小している問題について、管轄する宮田村は24日、報道機関向け報告会を役場で開いた。昨年9~10月に実施の復元活動により「(目測で)1952年当時レベルの広さにまで復元」などと報告した。村では「より多くに関心を持ってほしい」と、3月19日には一般向け報告会の開催を計画している。

中央アルプスの国定公園指定に伴い、村が環境保全の一環として、以前から関係機関や地質学者などから指摘を受けていた濃ケ池の縮小化について調査。「人の往来が原因」との結果に至ったため、「人の手によって修復を」と昨年9~10月にかけて復元活動を行っていた。

報告は、活動を中心的に行ってきた同村新田在住で、村が委託した中央アルプス国定公園巡視相談員の後藤寛さん(72)が行った。

水深が11センチに達し、かつての姿を戻しつつある状態になった濃ケ池=2021年10月18日

後藤さんは、濃ケ池研究者の故川上陽一氏の文献などを引用しながら「大正期から100年ほどの間に水位が45センチほど下がった」など背景に触れ、原因について「登山ブームに伴う多くの登山者の往来により土手が決壊した」などと説明。その上で「自然の変化には人の手は加えられないが、人の手によって破壊したものは自然に優しい保護保全と復元をするのが人の責務」と、復元活動の実施の必要性を掲げた。

復元活動は「堰止め試験調査」として、昨年9月21日~10月30日のうち11日間にわたり現地で実施。池の南側流出口に土のう袋を積み上げかさ上げしたところ、当初目測で面積が約40平方メートルだった池が3倍の約120平方メートルにまで広がった―とした。

今後の取り組みについては「試験結果を広く報告し、見解や指導を得る」としたほか「22年融雪時に南流出口の河床を保護した上で土のう解除し、元の池に戻す」「新たな登山路の確保で池への影響を軽減する」などと見込んだ。

後藤さんは「国内では貴重な氷河湖の一つであるにも関わらず、現在は忘れ去られた存在になりつつある。広く発信するとともに、自然界に負担のない形で復元していきたい」と話している。

一般向け報告会は19日午前10時から宮田村民会館で開催。講師は後藤さん。定員20人。事前の申し込みが必要で原則、同村在住在勤者に限る。問い合わせ、申し込みは村産業振興推進室(電話0265・85・5864)へ。

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