2022年2月28日付

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「県大会に出るので、新聞記事で取り上げてもらえませんか」。10年ほど前になるだろうか。バレーボールの大会に出場するという男性から、一本の電話が入った。大まかな内容を聞き、取材日程を打ち合わせる。日常の一コマである▼声の主は、現在、バレーボールのVリーグ男子1部に参戦するVC長野トライデンツの笹川星哉社長(36)。当時20代半ばの若者は、不況のあおりで廃部になった地元実業団の選手を中心にチームを結成した。「長野県にVリーグチームをつくる」を掲げて、異例の挑戦をスタートさせていた▼チームは順調に成長曲線を描いた。2016年に日本バレーボールリーグ機構(Vリーグ機構)に加盟。Vリーグ再編により、18年には念願だったV1参入が決まった。「ずっと夢見てきたこと」。喜びの言葉に実感がこもる▼だが、試練が訪れる。国内最高峰のV1では、力の差を痛感。参戦初年度からの2年間は最下位(10位)に沈み、昨年度は9位。4年目の今季もここまで1勝27敗と苦戦が続く。クラブチームとはいえ、スポンサー企業の支援を受ける以上は結果が求められる。のし掛かる重圧は相当なものに違いない▼それでも、決して下を向かない。小さな一歩の積み重ねがいつか実を結ぶと信じているのだろう。笹川社長は常々言う。「もがき苦しみながら乗り越えたい」。諦めず、前を向いて進む姿勢を見習いたい。

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