2022年3月4日付

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ラーメン、かつ丼、カレーライス。昭和の時代から営業している中華食堂では中華料理に限らず多彩なメニューを提供する店が多い。個人的には中華スープの風味を生かしたオムライスがお気に入り。豊富なメニューとサービス精神で庶民の胃袋をつかんでいる▼そんな大衆的な中華食堂が「町中華」と称され、近年注目を集めている。個人経営ならではの地域に根差した品ぞろえや懐かしい味が魅力。古きよき昭和の食文化として評価する声がある一方で、経営者の高齢化や後継者不足、コロナ禍の影響などによりその存続が危ぶまれている▼東京商工リサーチの発表だと、2021年の飲食業の倒産は648件。業種別では中華料理店を含む「専門料理店」が170件で最も多い。新型コロナ関連の倒産が全体の46.2%を占めており、まん延防止等重点措置が適用されている今年も苦境は続きそうだ▼駒ケ根市の中心市街地では昨年、創業60年の中華料理店がのれんを下ろした。名物の「駒ケ根ソースかつ丼」をはじめ昔ながらの味で地域住民に親しまれてきた老舗。閉店を惜しむ声に応える形で、市内に本部を置く青年海外協力協会が店を引き継ぐことになった▼新店舗は「ソースかつ丼」の味と店名などを継承する方針。閉店を「時代の流れ」と達観せず、自ら行動する関係者の熱意に敬意を表しながら、復活した老舗の味を堪能させてもらいたい。

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