2022年3月10日付

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ロシアによるウクライナ侵攻が続く。軍事面では大国の指導者の暴走が止まらない。戦禍の拡大を懸念する西側諸国も手をこまねいている。過去の歴史同様、争いを始めることはたやすいが終息への道は険しい▼ロシアとウクライナ、それに今回の侵攻でロシア寄りの立場をとるベラルーシの3国を構成する国民の多くは、元をたどれば同じ民族。ロシア大統領は、いわば身内に暴力を振るい、野心をむき出しにして過去の強いロシア復活をもくろんでいる▼現地の映像を見ると、ウクライナへ最初に侵攻し、捕虜となったロシアの兵士は「僕は侵略者になってしまった」と軍人らしからぬ一青年の表情をみせた。若い兵士たちは、訓練の名目で実戦にかり出された節もある▼過去に別の戦場で実戦を体験した兵士は「最初は人へ銃を向けることに抵抗があるが、仲間の死に直面すると人を撃つことに迷いがなくなる」と語った。ロシアの攻撃では日増しにウクライナの民間人犠牲者が増え、無差別殺りくの様相を呈す。最初は戦闘に戸惑ったはずの兵士の心境の変化を感じずにはいられない▼今回の侵攻で身内を見せしめにし、核兵器使用をちらつかせるロシア大統領は常軌を逸している。国際世論がさらに非難の声を高め事態の終結に向けた交渉継続につなげたい。ウクライナの人々にはどうか、命をつないでいてほしいと願う。命さえあれば未来がある。

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