漁獲高激減の諏訪湖 漁協が県に対応求める

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会見で諏訪湖の生態系に対する危機感をあらわにする武居組合長

諏訪湖の今年度の漁獲高(2021年2月~22年1月、速報値)が激減したことを受け、諏訪湖漁業協同組合の武居薫組合長(71)は11日、諏訪市渋崎の同漁協事務所で会見を開き、「湖内の生態系に対し、早急に手を打たなければ、かなり厳しいことになる」とした。魚やエビなどが外来魚や鳥などの捕食者から隠れられる場所、魚が卵を産み付ける産卵床などを湖内に設けるよう管理者の県側に対応を求めた。

今年度の漁獲高は諏訪湖の主な水産資源であるワカサギが454キロで前年の5290キロから激減し、10分の1以下となった。エビも84キロで前年220キロの4割弱にとどまり、コイ、フナなども軒並み減少。総量は約1トンで前年の約6分の1となった。ただ経年で見ると、昨年度の6トン余は、一昨年度の約17トンと比べ、3分の1程度に大きく落ち込んだ結果であり、16年7月の魚類大量死以降、回復基調だったのが、20、21年度で急減した。武居組合長は「漁が業として成り立たなくなるかもしれない」と述べた。

ワカサギの漁獲減は、昨春の採卵事業の不調で放流卵量が前年の約3分の1となる1・3億粒にとどまったことが大きかった。ただ、例年並みに放流したコイやフナなども減少していることから、武居組合長は「放流だけが問題ではない」と語った。

資源量の確保のため、漁協は今年度、投網漁やえびかご漁の漁期を大幅に短くし、ワカサギでは親魚の保護を図った。「諏訪湖の生態系に対し、漁協単体でできることには取り組んできた。県には水質改善や湖岸整備だけでなく、生態系の観点からも湖内環境の改善につながる事業を進めてほしいし、せめてそのための検討の場を設けて試験的でも良いので目に見える対策をお願いしたい」と求めた。

琵琶湖などで計画的に導入された、コイやフナの産卵場所やワカサギの隠れ場所になる浮き産卵床の諏訪湖への設置を対策の一案に挙げた。過去に民間事業者が設置した浮き床が諏訪市湖畔公園沖などにわずかにあるのみという。

今春のワカサギの採卵事業は主力の上川で地元の採卵組合が今季の採卵を見送っており、魚卵の確保は今季も厳しい見通し。

上川河口域は水産資源保護法に基づく保護水面であり、採卵事業を行わなくても4月末まで捕獲が禁止されている。

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