2022年3月13日付

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人間が持つ視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感。状況判断で最も頼りにしているのが視覚であり、知覚割合は諸説あるが、おおむね8割以上とされている。「目」を含む慣用句やことわざが多いのもそうした一面があるのだろう▼数年ほど前のことだが、長年、政治記者として首相官邸や省庁、与野党を取材した経験を持つ大学の恩師と卒業後に会食する機会があった。その際のある指摘を今も心に留めている。「会見中、ずっとパソコンに向かい、耳から伝わる為政者の言葉をひたすら打ち込む記者が増えた。相手の目を見なければ言葉の裏の狙いに気付きにくいものなのだが」▼ウクライナ情勢が連日、報じられている。一日も早い終戦を願いながらテレビに映るウクライナ、ロシアの両大統領の目に注目してみた▼首都キエフにとどまり徹底抗戦の構えを見せるゼレンスキー大統領の目には力があり、怒りと決死の覚悟が伝わる。一方のプーチン大統領の目は泳いでいるかのようだ。都合の悪い情報には目をつぶろうと、国内メディアの情報統制に乗り出している。目は口ほどに物を言う▼停戦に向けた交渉が続いているが、戦争を仕掛けたプーチン氏の目に終結に向けた道筋、落としどころを探る交渉のテーブルは見えているのだろうか。原発への攻撃もいとわない軍事行動もさることながら彼の目を見ていると、さらなる暴発が心配でならない。

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