砂防学会信越支部 岡谷市に調査結果報告

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岡谷市の今井竜五市長に結果報告書を手渡す調査団の平松晋也教授(右)

公益社団法人砂防学会信越支部は18日、昨年8月に母子3人が犠牲となった岡谷市川岸東の土砂災害の現地調査結果を同市の今井竜五市長に報告した。同支部は、「該当地域は昔の土石流堆積物を切り崩して住宅を建てている。土石流と急傾斜地崩壊のリスクが高い場所」と指摘し、「周辺地域もこれらのリスクを念頭においた対応が必要」などと伝えた。

調査は同学会が、発生したメカニズムや場所、2006年に発生した「平成18年7月豪雨」との比較についてをテーマに、昨年11月8日に実施した。砂防学が専門の信州大学農学部の平松晋也教授を団長とし、調査団員11人が現地入り。土石流が発生した中大久保、大久保と、06年の災害を受けて同市川岸東の本沢川と同市湊の小田井沢川に整備した砂防えん堤について調べた。

母子がいた住宅に流れ込んだ中大久保については、中央自動車道より山側約100メートル地点で土砂の崩壊が発生。流出土砂は400~800立方メートル。細かい土粒子が大半で、土砂流もしくは泥流状態で流下したと推察。住宅地までは距離が100~200メートルと短かったため、破壊力は大きくなかったが、住宅の窓から流入したとの見解を示した。

また、地質にも着目。川岸東や湊一帯は「塩嶺累層」と呼ばれる火山性の地質で透水性が極めて低く、たまった水が逃げにくいという。そのため平松教授は「短時間に集中した雨よりも、2、3日続く長雨の方が土砂災害につながる」とし、「今回も06年も降り続いた雨の累加雨量が360~380ミリで土砂災害が発生した。今後も累加雨量が300ミリを超えたら注意が必要」と話した。本沢川と小田井沢のえん堤については十分効果を発揮したと評価した。

報告を受けた今井市長は「調査結果を生かし、災害に強いまちづくりを進めたい」と話した。

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