中川村飯沼の棚田管理 産官民組織が引き継ぐ

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飯沼農業活性化研究会が中心になって行われた田植え作業=2021年5月

中川村大草飯沼の棚田の維持管理について、同所で約20年間酒米づくりをしてきた住民グループが高齢化などを理由に解散し、4月から産官民による組織「飯沼の棚田保全協議会(仮称)」が引き継ぐことになった。関係者らは、運営主体を変えながらも「美しい村」を掲げる中川村の象徴を守り継いでいこうと、熱意を見せている。

棚田は標高差約50メートルの傾斜地に広がり、村を代表する景勝地として親しまれてきた。管理してきたのは、2004年発足の住民グループ「飯沼農業活性化研究会」。村内の蔵元・米澤酒造と連携し、酒米「美山錦」を約50アールの棚田で栽培。収穫分はすべて、同社の特別純米酒「今錦おたまじゃくし」に使用され、今では発売後すぐに完売する人気銘柄へと成長した。こうした景観保全や地域活性化の取り組みが評価され、今年2月に、農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に選ばれた。

しかし、同会は、会員の高齢化が進み活動継続は厳しいと判断、2月上旬に18年の歴史に幕を下ろした。同会事務局は「住民それぞれが、今後もできる限り棚田保全に携わっていきたいと考えている」と会員らの思いを代弁する。

後継組織は、米澤酒造と同じく伊那食品工業(伊那市)子会社のぱぱな農園(伊那市)を中心に、村や地元住民らで構成。4月から本格稼働する予定で、当面はこれまでと同規模の棚田を管理。日々の水管理や草刈りなどに努めながら、棚田を活用した催しの実施も検討していく。宮下健彦村長は「棚田の景観を絶やさないように、村としても支援していきたい」としている。

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