2022年3月25日付

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過去に取材した市議選。普段は高飛車な雰囲気の現職候補が4年に一度の選挙戦だけは有権者に笑顔を見せて握手を交わし、毎回その激変ぶりがちまたの話題だった。別の国政選挙では背広姿で革靴を履いた候補が泥汚れを気にせずに田んぼのあぜを走って有権者に近づき、頭を下げる姿があった▼候補者は多数の有権者に会った気になるが、有権者が候補者に直接会う機会は意外と少ない。有権者は一度会っただけの印象を投票の判断基準にしがちだ。候補者の笑顔も田を走る行動も有権者の心をつかもうとする心理の現れ。支持拡大は愚直に地道に政治への熱意を伝えること。昔も今も当選に特効薬はない▼4月17日告示の伊那市長選と同市議選。市長選は現職新人の一騎打ち、市議選は前回の無投票が一転、定数21に対し、「立候補検討中」も含めて27派が準備を進め、激戦が予想される▼市長は行政という執行機関のトップ、議員は議会という意思決定機関の代表者。共に住民がすべき仕事を代行し重責を担う人だ。選挙で有権者は候補者の主張に耳を澄まし、最善を選択する責任がある▼政治家田中角栄は生前「聞く人が『今日はよかったな』と思う話をする。それが本当の雄弁というものだ」「政治とはつまり事をなすことだよ」と語った。市長選、市議選の候補各位には、雄弁ではなくとも伊那の人が幸せに暮らせる実効性ある主張を望みたい。

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