2022年3月27日付

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先週末からピークに入ったらしい。春休みの行楽情報か何かと思いたいのだけれど、残念。答えはスギ花粉の飛散状況である。今年も服用に点鼻、点眼と3種類の薬で態勢を整え、花粉症との長く憂鬱な闘いをスタートさせた▼日本気象協会は、県内の花粉飛散量を例年並みかやや少ないと予測した。この「やや」という表現が気になって仕方がない。とめどなく流れる鼻水に目のかゆみ、のどの痛み。花粉症で思考が鈍り、不眠に陥る重症患者にとっては死活問題なのだ▼花粉症は現代病と思われがちだが、紀元前の中国や中東の史料に、春の鼻水などの症状を示す記述があるという。花粉と人との深い関係は、国境も時代も超えるということだ。花粉への嫌悪は、人類の遺伝子に刻まれた反射作用ではないかとすら思える▼ただ、花粉の営みによって咲く花は一転、人を癒やしてくれる。春はフクジュソウがけなげに色づき、今は梅が盛り。あと半月もすれば桜の便りも届くだろう。小さな粒に神経をとがらせているうちに、生命感にあふれる花の咲き姿と色彩美を見逃すのはもったいない▼長期化するコロナ禍で感染者数は高止まりし、地域では春の行事を中止または縮小する動きがある。でも工夫すれば、屋外で過密にならず花見を楽しむことはできる。マスクで口や鼻を覆ったとしても、目と心は常に開いて、季節を堪能するゆとりを残しておきたい。

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