八ケ岳農業実践大学校 ちとせ研究所と連携へ

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ちとせ研究所との連携について発表した住民説明会=28日夜、八ケ岳中央農業実践大学校

八ケ岳中央農業実践大学校(原村)は2022年度から、バイオベンチャー企業群「ちとせグループ」の「株式会社ちとせ研究所」(川崎市)と連携する方針を示した。同社から野菜や花きの生産・販売力の強化、堆肥化の技術、人材の派遣などの支援を受けて、財政悪化が続く同校の経営改善を図る。連携を機に持続可能な循環型農業の実現や次世代農業経営者の育成も目指していく。

同グループは国内外の10社で構成する。微生物や細胞、藻類、菌などを使って化石資源中心の消費型社会からバイオマス資源起点の循環型社会を目指しており、同社は研究開発や事業開発を行う。すでに山梨県北杜市など各地の自治体とも連携し、バイオ技術を活用した循環型社会への取り組みを進めている。同校は「耕畜連携」を軸とした持続可能な農業との親和性や、優れた農業人材育成を目指す考えなどが一致したとし、連携を決めた。

今後は同社から委託を受けて同校が野菜や花きの生産を行う。同社は堆肥作りの技術や機械整備の支援を行うほか、販路拡大にも着手する。これまで学生数の減少などで人手が不足し収穫量が減っていたが、同社が新たに農作業に従事する人材も採用。同校の酪農を生かして堆肥づくりに取り組むことで地域内循環も目指す。ただし、直売所や地元スーパーマーケットなどでの販売は続け、同校の土地利用も当面は変更の予定はないという。学生の実践的な教育も続けていく考えで、新たに同社の技術を生かして循環型農業を学べるとする。

同社は将来的には原村や茅野市とも連携して堆肥を通じた地域循環の推進や観光促進のほか、地元病院とも連携して健康増進にも取り組みたいという。正式な連携協定書の締結は4月以降を予定する。

28日夜には住民説明会を同校で開き、約40人が参加。同社の社員6人も出席した。同社は「事業として大学校が自立していかなければいけない。『もったいない』現状を脱し、循環型モデルを実現した先には全国に知られる形にしていきたい」。同校の大杉立校長は「学校にも住民にも有効な期待を持てる」と述べ、地域との連携強化も図りたいとした。

同校は10年に国からの補助金が打ち切りになったほか、学生や農畜産物の販売収入、コロナ禍による体験学習の受け入れの減少で赤字財政が続く。20年には大規模酪農施設を誘致したが、住民から環境への影響を懸念する声が強まり白紙撤回。その後、住民や企業から多様な提案を受ける中で同社からも申し入れがあった。

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