2022年4月12日付

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諏訪大社御柱祭は上社、下社ともに山出しが終わったが、諏訪の地は休む間もなく里曳きへと準備が進む。山出しが車両による運搬だったこともあり「里曳きこそは人力による曳行を」と期待する声を聞く▼上社山出し直前の3月下旬、曳行に向けて御柱の準備をする木作りの様子を見つめた。早朝から山で行う一日仕事は春の日差しの下、男たちの真剣なまなざしが印象的だった。その緊張感がふと和らいだのが昼食休憩。おむすびを取り出し、お茶を片手に頬張る姿があった。協力一致の山仕事におむすびはよく似合う▼「おむすび」と同じ意味の言葉に「おにぎり」があるが、この時の光景はどうも「おむすび」がしっくりきた。一般社団法人おにぎり協会によると「おにぎりとおむすびに明確な違いはない」という。では、この感じ方の違いはいったい?▼小紙で「探究!御柱祭」を連載する八剱神社の宮坂清宮司は「おむすび(御結び)」についてこう語る。「生命を育むお米には不思議な霊力『むすひ』がある。縁あって人と人が結ばれ、新しい生命が誕生する。そうした人と人、人と地域が結ばれる力である」と▼コロナ禍で我慢の多い令和4年の御柱祭。奉仕を終えて酒を酌み交わし飲んで騒いで盛り上がって…。そんな酒宴は難しくともおむすびを頬張り、ともに汗を流して生まれた結び(むすひ)は地域づくりに欠かせない力となるのだろう。

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