2022年4月21日付

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約100メートルの長さがある2本の綱を使い、7回巻いて5回ひねり、さらに反対側で3回ひねる。諏訪大社御柱祭上社里曳きで、建て御柱の準備が整った本宮、前宮の8本の御柱に施される「七五三巻」である▼奉仕するのは富士見町御射山神戸出身の小林秋彦さん(78)=小淵沢=と親族、同区の氏子たち。大工を家業としていた小林家に代々伝わる綱巻きの技。江戸時代に先祖が考案した。直立した御柱から氏子が綱を伝って下りた後、地上でよりを戻すと固く巻き付いた綱が外れる仕組みだ▼勇壮で華やかなイメージの建て御柱だが、始まりの神事は静寂に包まれ、神斧、手斧入れが厳粛に執り行われる。先端を三角すいに整える冠落としを経て綱巻きへ。小林さんは過去7回、長男の英司さん(50)は5回経験しているが「毎回緊張する」瞬間だ▼孫の宮澤誠冶さん(23)が新たに加わり、親子3代で臨む。小林さんが初めて関わった時と同じように、宮澤さんも御柱の模型で巻き方を何度も練習する。白州に住み、幼少期に一度見ただけという御柱だが、大役の重みを感じ「精いっぱい務める」と力を込める▼知恵と工夫を集め、一瞬一瞬をやり遂げてきている御柱祭。氏子にとっても特別な建て御柱になる。絆、感謝、希望…。諏訪人の結束力の強さを表すような七五三巻の上部から下ろされる各地区の垂れ幕の言葉やメッセージも心に焼き付けたい。

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