2022年4月24日付

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あす25日はシンガーソングライター尾崎豊が亡くなった日だ。1992年4月25日。26歳という若さだった。没後30年の節目に合わせ、生前愛用した楽器や直筆ノートなどを公開する展覧会が開かれ、幅広い世代の人気を集めていると、テレビのニュースが伝えていた▼筆者は当時19歳。3月に高校を卒業したばかりだった。卒業式の後、仲間たちとカラオケボックスを”占拠”し、尾崎の「卒業」を繰り返し歌った。全員がこの歌を選曲し、朝まで叫び続けた▼十代の教祖。高校時代にアルバム「十七歳の地図」で鮮烈なデビューを果たした尾崎は、そう呼ばれていた。欺瞞に満ちた社会への抵抗、自由、真実の愛…。バブル絶頂期の日本で、成功者であるはずの彼は孤独を深め、傷つき、死を迎える▼長男の誕生をテーマにした90年のアルバム「誕生」に「COOKIE」という曲がある。手作りのクッキーに平和を重ね、社会に警鐘を鳴らすメッセージソングだ。差別や偏見、憎しみや争いが絶えない現代に通じる普遍性がある。尾崎が敬愛した歌手のさだまさしさんは「シンガーソングライターは炭鉱のカナリアだ」と語る。命を賭して「おかしいことはおかしい」と声を上げる存在だと。人生に寄り添う歌い手を大切に守る文化がこの国にあるだろうか▼仲間と再会を誓った朝から30年。49歳になった今も皆が本当の自分を求め、あがき続けている。

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