2022年4月25日付

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「130%の安全のため」。1980(昭和55)年の諏訪大社御柱祭で建て御柱に直接携わって以来、今回で8回目の奉仕となる牛山一栄さん(72)が上社里曳き最終日に向け、前宮二を建てる境内の模型を製作、関係者が集まる事前会議で披露した。御柱はどう動き、どのようにして建つのか。本番を前にしたイメージづくりに大いに役立ったようで、会議の終了が伝えられても関係者の真剣な議論は尽きなかった▼コロナ禍で迎えた今回の御柱祭は 感染防止対策を取りつついかにお祭りを行うかが最大の焦点。曳行の練習は「人が集まる」として従来通りとはいかず、自粛が続いてきた。人力で曳行する里曳きに向けた準備、練習はタイトなスケジュールの中で進んでいるが、それだけに1回1回の集会には笑顔よりもむしろ真剣な表情が印象的だ▼その理由を御柱経験が豊富な諏訪大社のある大総代は「巨木を曳き、建てる御柱祭は危険が伴う。準備不足、練習不足で臨めば、思わぬ事故を招く。そうした点をいつも以上に強く感じているからではないか」と説く▼1200年以上の歴史の中で幾多の困難を乗り越えてきた御柱祭は今回、諏訪人が感染症とどう向き合い、歴史をつないだのかを後世に伝える意味でも大事なお祭りとなる▼里曳きに向け、準備も練習もいよいよ佳境。牛山さんが願う「100%を超える安全」でその歴史を紡いでほしい。

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