2016年10月17日付

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「コツーン、ゴロゴロ」と寝起きの枕元に天井から音が降ってくる。家から100メートルほど離れた所にあるクルミの実がなると、この音で起こされる▼仕業の主はカラス。屋根に落ちたクルミは転がって、硬い地面へ落ちる。運が良ければ割れて餌にありつける。こういう時のカラスは粘り強いったらない。成功するまで何度も繰り返す。動物の知恵と努力は人間を超えることもある▼遺伝子がほぼ同じとされるチンパンジーと人間の違いがどこにあるのかを調べる実験が米国であった。おりの前に餌の箱を置き、おりの両端から同時にひもをたぐると箱が引き寄せられて餌が手に入る仕掛け。仲間と協力できるかを試した▼チンパンジーはすぐに仲間を呼び寄せ、簡単に餌を手に入れた。だが、序列の高い方が独り占め。これが分かると仲間は次回から手助けをしなくなった。学者は人との違いを「自分のためだけでない、見返りを求めない行動ができるか否か」だとした。その目で人間社会を見てみたい▼富士見町で福祉活動に尽力する小林ゆきさん(76)は県社協会長の感謝状を受けた際、「『桜梅桃李』が座右の銘。人間は誰もがその人にしかできない生まれながらの使命をもつ。幼児もお年寄りも、たとえ寝たきりであっても。私もその使命を尽くしたい」と語った。小林さんの言葉に省みれば、自称は人間のつもりでも努力の余地はまだ大ありだ。

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