宮川・ちの「本宮三」 被災した高部通過

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昨年9月の土石流災害で土砂で埋まった下馬橋を通過する本宮三之御柱

茅野市宮川・ちのが担当する本宮三之御柱が同市宮川高部の下馬(げば)橋を通過する。橋が架かる下馬沢川で発生した昨年9月の土石流災害から8カ月。人家に流れ込んだ土砂の撤去はほぼ一段落したが、本格的な復旧工事はこれからだ。「被災した人の気持ちが前向きになるきっかけになれば」。高部区民からは地元が一体になる御柱祭が地域の活気につながれば-との声が聞かれた。

「災害直後はとても御柱という気持ちになれなかった」。下馬沢川近くに住む矢崎庸子さん(66)は振り返る。住宅内にこそ土砂は入らなかったが、家族の車は埋まり、土砂が庭に押し寄せて泥の撤去に追われる日々。それでも徐々に片付けが進み、年明けごろから落ち着いてきたという。毎回曳(ひ)き子として参加している御柱祭。「3日間、楽しみたい」と話した。

災害当時、高部区長だった藤森芳久さん(70)。区長の仕事が続き、庭に積もった砂の除去が今も続く。ただ、「気持ちが沈んでばかりでもいられない」と前を向き、「新型コロナでお客のおもてなしが少ないのは寂しいけど、地域が元気になれば」と語った。

「復興支援ありがとうございます 高部区民一同」-。高部公民館前には縦60センチ、横3.5メートルほどの横断幕が掲げられた。泥出しなどに関わったボランティアらさまざまな支援へ感謝の気持ちを込めた。小林洋一区長(53)が近所に住む立石良一さん(75)に依頼して書いてもらった。当初、印刷した文面を用意する声もあったが、「手書きの方が気持ちが伝わる」とこだわった。

現地では復旧に向けた動きが始まったばかり。小林区長はこの日、災害で自宅が壊れて戻れない男性から「あしたは曳きに来ようかな」と声を掛けられたという。小林区長は「御柱祭は地域住民が顔を合わせたり、仲間で話したりできる機会。気持ちが前向きになるきっかけになれば」と願った。

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