2022年5月5日付

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善光寺御開帳に合わせてJR長野駅から善光寺までの表参道沿いでは「日本一の門前町大縁日」と銘打って多彩なイベントが展開されている。近隣の獅子舞が一堂に会したり、ヘアショーで美容師が腕を競ったり、通りを花が埋め尽くす「花回廊」が繰り広げられたりと実に華やかだ▼昔はどうだったかというと、江戸や明治の時代には善行寺周辺に見世物小屋が設けられたそうだ。雷電為右衛門も参加した相撲や「あやつり」と呼ばれた人形芝居の興行があったという▼長野市立博物館で開催中の企画展「御開帳 めくるめく ミル ミラレル ミセル」でその様子を知ることができる。幕末から人気を博すようになったという、まるで生きている人間のような写実性の高い人形「生き人形」の展示あたりから何やら怪しげな雰囲気もただよい出す▼明治に入ると博覧会が開かれるようになるが、当初は「天狗ノ爪」「人魚のミイラ」などの珍品が展示されていた。天狗の爪は戸隠で産出したサメの歯、人魚はサルの上半身と魚のサケを組み合わせたものだが▼博覧会は明治後期から戦後に掛けて先進技術や外国の文化の紹介、仏教美術による観光促進などへ変化していく。獅子舞やヘアショーもそうだが、地元住民による音楽やダンスのステージなど、地域の魅力を改めて強調しようとしているように見える今回の「門前市」も時代を反映しているのだろう。

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