岡谷市民病院開院から1年 診療科新設で体制充実

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岡谷市の岡谷市民病院が昨年10月の開院から1年を迎えた。「病院が明るくなった」など建物や設備を評価する声が聞かれ、開院以降、新たな診療科が開設されるなど、医療体制の向上が図られた。一方で待ち時間の長さの改善を求める声は根強い。根本的な解決には医師確保が欠かせず、病院側は医師不足の解消を「最重要課題」に位置付けている。

市は開院に先立つ昨年4月、元信州大学医学部付属病院長の天野直二氏を院長に迎え、信大医学部との連携を強化した。天野院長が担当する認知症などを対象とした「シニアこころ診療科」や歯科口腔外科が新設された。医師確保に向けては信大などに派遣を要請するほか、民間の紹介業者も活用している。5月に内科医1人が民間業者を通じて着任し、10月1日付で信大から後期研修医1人が派遣され、現在の常勤医は37人。

課題となっている「待ち時間の長さ」の根本原因は医師不足。特に高齢社会の進展で患者が増えている整形外科は常勤医が2人、耳鼻咽喉科は1人のみ。いずれも「全国的に医師が少ない診療科」(同病院)という。

市民病院の医師一人当たりの患者数は2015年度、入院が6・3人で近隣の公立病院(諏訪中央病院や伊那中央病院など県内6病院)平均の5・2人、全国平均の4・5人よりも多い。外来は15・3人で近隣公立病院平均(同)の11・6人よりも多く、全国平均の7・5人の2倍以上となっている。

同病院を運営する市病院事業の15年度決算によると、入院は移転に伴う準備の影響や病床数減により、延べ患者数が3・9%減の8万5283人となったが、外来は移転に伴う休診があっても1・5%増の15万9930人となった。増加する患者に対し、医師が足りていない現状だ。

医師の負担は大きいが、天野院長は「医者なら誰でも良いというわけにもいかない。日常業務に加えて救急対応ができる医師が必要であり、早期の医師不足解消の大切さを理解しつつも一方で慎重さが必要」と話している。

待ち時間対策ではこのほか、待合室を離れても診療順が近づいたことを携帯電話で知らせるなどの対応を行うほか、接遇の改善を図り、「長い」をストレスに感じさせない工夫も重ねている。

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