2016年10月19日付

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信州産のカラマツ。先日、東信地方の国有林や流通施設などを訪れ、育種、生産、流通、加工といった現場を目の当たりにした。一連の取り組みをつぶさに見て、まさに目から鱗が落ちた▼1993年に松本市で行われた信州博会場のやまびこドームや、98年の長野冬季五輪で利用されたエムウエーブ(長野市)の両施設には、県産カラマツ材が利用されていることは知っていたが、筆者のカラマツに対する知識はその程度であった▼林野庁中部森林管理局によると、県内の森林面積107万ヘクタールのうち約42%が人工林。その半数以上をカラマツが占めている。かつては、ねじれたり割れたりすることから敬遠されたカラマツだが、乾燥技術の向上や優れた強度が再評価されたという▼戦後に造林した資源は70年を過ぎた今、幹が空洞になる直前の伐採時期を迎えた。浅間山山麓の国有林内では、バックフォーの先に特殊な機械をつけて木を支えながら切り倒し、その場で枝を払い、一定の長さに切断する工程が進んでいた。流れるような動きに目を奪われた▼県内のカラマツ貯蓄量は、北海道に次いで全国2位だが伐採率(資源の利用率)は、まだ低いという。東信木材センター協同組合連合会の小相沢徳一専務は、将来世代のために「植えるために伐採する」という新たな発想が求められると話す。森林は人が手入れをすることで成り立つことを改めて知った。

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