諏訪湖ワカサギ大量死 県「原因特定至らず」

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諏訪湖のワカサギ大量死問題で、県は18日、長野市内で開いた諏訪湖の環境改善に関わる有識者会議で、湖内全体に貧酸素水が拡大したことなどが影響したと考えられるものの、大量死直前の測定データの不足もあって「原因の特定には至っていない」と報告した。有識者会議の委員長を務める沖野外輝夫・信大名誉教授は、委員数人でチームを組み、コンピューター解析で貧酸素水の拡大をもたらす要因などをつかんで、効果的な対策を探る意向を示した。

県は他に、光合成により湖内に酸素供給する植物プランクトンの減少で貧酸素化に拍車を掛けた可能性などを挙げたが、「調査でそうした事実はつかめたものの、その理由は分からず、いずれの原因も断定、証明はできない」(水大気環境課)とした。

ワカサギなど魚の大量死は7月26日に発生し、その直後の湖では、水面付近の酸素量が低下したことや、植物プランクトンが少なかったことが分かった。ただ、直前の調査データはなく、湖底貧酸素が湖の新たな課題として浮上する中、8月の初会合では県の調査態勢に疑問を呈する委員もいた。

県は、今回の問題を教訓に測定態勢を充実させる方針を改めて示した。中島恵理副知事は「先生方(委員)の力を借りながら、きちんと再検証して対策を強化したい」と述べた。

沖野委員長は、諏訪湖の貧酸素問題について、気象条件や植物プランクトン量、底泥による酸素消費、河川流入量などの数値を当てはめてシミュレーション(模擬実験)を行い、悪化要因や改善手法を探りたいと提案。「模擬実験とその後の実証実験で有効な対策を得て、県に提言したい」とした。

諏訪湖漁協の藤森貫治組合長は「湖底が貧酸素状態でなければ、今回のような問題は起きない」と強調。湖底にたまったヘドロを持参して委員に見てもらい、底質改善を含めた貧酸素対策の実行を求めた。東大大学院教授の山室真澄委員は「湖内の状況が悪化した際に、魚が避難できる場所を造っておくことも一つの対策」と指摘した。

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