高遠ダム取水制限 稲作など必要な水量確保へ

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三峰川に農業用水を流している高遠ダムの取水口

県企業局の高遠ダム管理所(伊那市)は、例年にない早さの梅雨明けを受けて、同ダムから農業用水を取水している三峰川水系の三峯川沿岸土地改良区連合との間で、節水の取り組みを進めている。長野地方気象台によると、今季の梅雨明けは平年より20日ほど早く、当面の降雨が望めないため、管理所はかんがい用水を蓄える上流の美和ダムの規定量維持を懸念。現在、取水量は毎秒8トンから7.8トンに減らして対処していて、稲作などに必要な水量確保を図る。

高遠ダムは美和ダムから、かんがい用水を三峰川水系に流す役割を担い、雨が少ない時期に十分な水量を維持する。高遠ダムからの農業用水を用いる農地は約1800ヘクタール。同連合によると、一帯で農業に従事する組合員は約3300人で、大多数が米農家という。

同管理所によると、美和ダムでは、かんがい用水400万トンほどを常に備える。関東甲信越地方が27日に梅雨明けすると、当面の降雨が見込めない状況のため、現在の取水量を継続した場合は400万トンを割り込み、その後の水量の回復が難しいと予測した。

28日、同事務所は連合に節水を想定した対応を促す情報を提供。両者で相談の上、一時的に取水量を減らした。連合は行政などを通じ、組合員に周知を進めている。

同管理所は近く、具体的な節水量を決める水利運営委員会を開く予定。同委は、県と同連合が節水に関する議論を行う機関。同管理所によると、確認できる範囲で、同委を開き節水協力を実施したのは、2001年の8月以来という。

同管理所は、過去に比べて同委を開く時期が早まっていることに危機感を覚え「雨に降ってもらうしかない。農業関係者の方々に積極的な節水に協力してもらうことが重要」とする。

連合事務所は、稲の成長のため水が必要な時期が訪れることなどを踏まえ、水不足の長期化を懸念。「農業に支障のない対応を願いたい」とし、ダムの果たす役割の大きさを指摘した。

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