家族で防災行動計画共有を 岡谷で講演会

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災害時に避難を妨げる心理的な傾向について説明する菊池聡さん

岡谷市は2日、防災講演会を同市カノラホールで開いた。信州大学人文学部教授で同大学地域防災減災センター長の菊池聡さんが「いざというときに逃げる勇気を~防災・減災のための心理学」と題して講演。心理学の視点から、災害リスクについての心理を踏まえた上で避難行動につなげる対策を助言した。

菊池さんは「『自分だけは大丈夫』という心理は誰の心の中にもある」と前置き。危険や脅威が迫っても過小視し、異常を正常の範囲内と錯覚して捉える心的傾向「正常性バイアス」について説明。これらの心理バイアスが災害時に避難を遅らせる要因だと指摘した。

しかし心理バイアスは「心の免疫システム」であり、人間にとって必要な心的傾向であることを踏まえた上で、避難を促すための対策を考える重要性を強調。対策として▽「リスク認知のバイアス」があることを自覚▽考えないで済ませる工夫・行動のパッケージ化▽心理的に行動を促す手法―の三つを挙げた。

このうち行動のパッケージ化について、人は考えることで認知バイアスにより不適切な判断をしてしまうことから、「危険な事態が即行動につながるよう行動をパッケージ化する。状況に応じた適切な行動計画を事前に定めることで、認知バイアスにとらわれることなく実行できる」と説明。災害による被害を想定して行動を時系列に整理した防災行動計画「タイムライン」を紹介し、作成して家族で共有するよう呼び掛けた。

講演会は市民の防災意識の高揚を図る啓発事業の一環として企画。地域住民約160人が耳を傾けた。

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