毎朝声掛け3年 事故防ぐあいさつ運動

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登校する高校生らに声を掛ける東海大諏訪高の田中校長

登校する高校生らに声を掛ける東海大諏訪高の田中校長

東海大諏訪高校(茅野市)の田中昇校長(59)が毎朝、JR茅野駅東口であいさつ運動を続けている。自転車事故を防ごうと始め、3年がたつ。「おはようございます」「安全運転でね」の繰り返しが、交通ルールを守る生徒たちの姿に結実している。

駅前の道路を一列で走行する自転車、自転車を押して横断歩道を渡る高校生たち…。茅野市内で毎朝繰り広げられる、道路交通法を守った東海大諏訪高校の登校風景だ。田中校長は「3年間かかりました」と語り、横断に時間がかかることなどでドライバーに理解を求める。

あいさつ運動は、2013年9月に原村の交差点で自転車と軽自動車が出合い頭に衝突し、自転車に乗っていた同校生徒=当時(16)=が死亡した事故がきっかけ。「同じ悲しみは二度と経験したくないし、させてはいけない。(事故をした子どもに)『一声掛けていれば』の後悔もしない」と心に決めて始めた。

柔道で心身を鍛えた田中校長でも、駅前に立つのは「正直勇気のいることだった」という。最初は「誰あの人」とけげんな顔で見られた。2年目からは「おはよう」を「おはようございます」に変え、相手の目を見て頭を下げるようにした。同校の教諭たちも率先して並んだ。今では他校の生徒や大人もあいさつを返してくれるようになった。永明小学校の児童とは仲良しだ。

3年間で見えてきたものがある。「あいさつをすれば誰でも返してくれる」という事実だ。生徒の性格や昨晩の様子まで感じ取れる気がする。「駅を出た瞬間から始業の準備が始まる」とも思う。一方で、自転車専用通行帯が駅前にしかない現状や、利用しにくい位置にある駐輪場に疑問がわいた。街頭啓発は「2、3日では身に付かない」と語る。

田中校長は「2学期の始業式に『1人になった時の行動に責任を持とう』と話した。全校生徒が交通ルールを守る学校を目指したい」と話す。通勤通学で忙しく目的地に向かう朝の穏やかな光景。そんな日常の大切さを改めてかみ締めている。

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