摺鉢窪カールの亀裂 天上事務所「緊急性低い」

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飯島町は4日、中央アルプス摺鉢窪カール底付近(2550メートル)で見つかった地表の亀裂について、国や県など関係機関との対策合同会議を同町の飯島成人大学センターで開き、各機関と情報を共有した。このうち、国土交通省天竜川上流河川事務所(駒ケ根市)は、亀裂の影響で崩壊した場合の土砂量の予測値を報告。土砂が与田切川へ流入しても砂防えん堤の空き容量に余裕があるため、「緊急性は低い」との見解を示した。

町によると、亀裂は町が管理する「摺鉢窪避難小屋」近くで、7月24日に小屋の施設整備などの業務委託を受ける町内の登山愛好団体が見つけた。亀裂は南北に長さ70メートル、幅50センチ、深さ1~1.5メートル。カール下は大崩落地「百間ナギ」と呼ばれ、たびたびカール底が浸食されてきたが、亀裂が見つかったのは初めて。

会議は一部非公開で行われた。同事務所によると、与田切川には8基の砂防えん堤がある。近年では2018年、百間ナギ近くで約17万立方メートルの土砂崩壊があり、20年の大雨で与田切川支流のオンボロ沢に流れ込んだが、砂防えん堤が食い止めた。今回の崩壊土砂量は約30万立方メートルと推定。砂防えん堤の総空き容量は現在約46万立方メートルという。

国や県、町は7月28日、8月3日にヘリコプターによる上空からの合同調査を実施。同事務所の説明だと、発見された場所以外に亀裂は「目視では確認できなかった」という。亀裂の原因は、亀裂から南東の崩落地で、新たな崩壊が進んでいることが関係している可能性があると考える。

同事務所では、百間ナギを監視するためのカメラを新たに設置。与田切川の砂防えん堤に土石流センサーの設置も検討する。崩壊の可能性について、佐藤保之所長は「正直分からない。大雨が降れば崩れる可能性がある。皆さんには、雨が降ったら与田切川には近づかないよう注意してほしい」と呼び掛けている。

町では崩壊する危険があるため当面の間、カール内への立ち入りを禁止している。

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