ヤングケアラーの実態は 伊那市教委が研修会

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会場とオンラインで全教職員を対象に行ったヤングケアラーに関する研修会=伊那市役所

伊那市教育委員会と学校人権同和教育研究推進委員会は4日、学校に通いながら家族の介護や家事をするヤングケアラーに関する研修会を市役所で開いた。ヤングケアラーの支援に携わる認定NPO法人カタリバ(東京都)の和田果樹さんから実態と支援方法について話を聞いた。

伊那市は、市要保護児童対策地域協議会が経過を見守る市内約100世帯の中にヤングケアラーの役割を担う児童生徒が15世帯19人いるとする。市教委は今年度、全児童生徒を対象にアンケートを実施。他の潜在的なケアラーの把握を急ぐ一方、対象者への適切な対応に向け、全教職員を対象にした研修会を開いた。

和田さんはヤングケアラーを「本来、大人が担うと想定される家事や家族の世話、精神的ケア、金銭面の援助などを日常的に行う子ども」と解説。長野県内では昨年度、全日制高校で48人に1人(2.1%)、定時制高校で25人に1人(3.8%)のヤングケアラーが存在し、「ほぼ毎日家事やケアを行う生徒」が、全日制で39.5%、定時制で76.9%いるとした。

ヤングケアラー増加の要因は、核家族化の進行や共働き世帯・一人親家庭の増加、地域とのつながりの希薄化などで、家庭をケアする大人の不足の末に「子どもにしわ寄せが来ている」とし、「長期的には学業面などでの遅れが懸念される」と指摘した。

対策として和田さんは「まずは相談できる環境づくりと生徒の話を聞く姿勢が重要」と助言。一方で「ヤングケアラーの奥にある家庭の問題に教職員が踏み込むと収拾がつかない。行政や医療、福祉などの総合的なネットワークの中で解決すべき」と伝えた。

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