下諏訪町長選課題を探る―下 地区防災

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避難ルートを話し合う住民。地区独自の計画作りを進める=10月27日、星が丘公会所

避難ルートを話し合う住民。地区独自の計画作りを進める=10月27日、星が丘公会所

避難ルートを話し合う住民。地区独自の計画作りを進める=10月27日、星が丘公会所[/caption]「もしものときはまずこの駐車場に集まろう」「階段の道は危険。避難ルートは別の道にすべき」―。10月27日の夜、下諏訪町の星が丘公会所で開いた住民の会議。集まった約20人が近隣同士のグループに分かれ、災害が起きた際の対応について熱心に意見を交わしていた。

町が町内で順次進めている地区防災計画の策定作業だ。市町村の防災計画よりもきめ細かく、コミュニティーの特性に応じた最適な災害時の対応を、住民自ら立案する。身近な住民が助け合う「共助」の考え方に基づいており、大規模災害時に有効とされる。

町危機管理室によると、2014年度、同町東町中地区が国のモデル指定を受けて作ったのを端緒に、町内で区ごとの策定が本格的にスタートした。15年度は第一区と第二区で作り、今年度は第七区(東山田)、第九区(星が丘)など三つの区で策定を予定している。

策定作業では住民ならでは知識に基づく現地調査をし、一時避難場所や避難路、危険箇所などを地図上に落とした防災マップを作っていく。住民が作成を通じて地域の防災を考える機会としても貴重で、星が丘の計画策定に参加している男性(65)は「この地域は過去に災害がなかったので安心していたけれど、それではいけないのだということが分かった。防災上の問題点も見えてきた」と話す。

町が計画策定によってさらに期待するのが、各区の自発的な取り組みへの展開だ。実際に第一区は今年夏の防災訓練で、各家庭が「避難済みで救助不要」の目印であるタオルを玄関ノブや門扉に掛ける試みを実施。第二区は町の協力を得て、区内にある工場敷地を区民が避難できる新たな「一時避難場所」としたほか、自主防災役員への一斉メール配信や災害時に役立てる家族台帳の作成も進める。

ともに地区防災計画の完成を受けての取り組みで、第一区区長の久保田昭さん(63)は「計画を一歩進めるための試みで、今後も続ける」。第二区区長の高木利幸さん(63)は「計画を作って終わりではなく、どう生かしていくかが大切」と強調する。

町が一昨年実施した町民アンケートで、「今後のまちづくりで重要なのは何か」という設問に対し、「災害への備え」という回答が、飲み水の確保と並んで最上位を占めた。全国各地で大規模災害が相次いでおり、防災は待ったなしの問題と言っていい。

身近に迫る災害にどう備えていくのか。町は地区防災計画の全町整備を進める一方、地域の自主的な取り組みを継続支援していくことが求められる。住民と行政の連携も今以上に必要になってくる。

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