2016年11月04日付

LINEで送る
Pocket

当たり前だと思っていることに価値を見いだすのは難しい。その一つが自然だろう。長野県に住んでいれば身近に自然があふれ、あまり意識することはない▼かく言う自分も例外ではない。若い時は「自然が豊か」と言われてもなかなかピンと来なかった。仕事や生活を通じてようやく実感できるようになった。ふるさとそのものにも同じことが言えるのではないか。深く知ることで愛着がわいてくる▼先月開かれた県経営者協会上伊那支部と市町村長との懇談会では、子どもたちに郷土愛を深めてもらうための「伊那谷学」のテキストを作ることが提案された。職業観などを養うキャリア教育の一環という。自然、歴史、文化、産業―。切り口はいろいろあろう▼人口減少が取り沙汰され、各市町村は移住定住の促進や子育て支援の充実を競う。外から人を呼び込む一方、進学などでいったん地元を離れた若者をどう呼び戻すかも課題とされる。だが若者が地元のこと、とりわけどんな産業や企業(=仕事)があるかを知らなければ選択肢にもならない▼周りの大人の役割も重要だ。ふるさと学習に取り組む伊那市内の中学生が市長と語る会で「県や市の人から話を聞いたり、市長と直接話をする中で、伊那市に戻ってくることも選択肢と思えるようになった」と話した。日ごろから地域について子どもたちに伝える。良い意味での”刷り込み”が有効だろう。

おすすめ情報

PAGE TOP