ある農家で、突然見知らぬ若者が来て「余っている米野菜をくれ」と言われ、戸惑ったという話を聞いた。テレビ番組の影響もあってか「農家には不用の作物がある」との認識が一部にはあるらしい▼ニュースでも野菜が収穫されないまま転がっている映像が流れることがある。その光景だけを見れば、消費者の欲が働いて「何ともったいないことを」となる。資源の大切さが意識され、持続可能や地域循環が時の言葉となる中で、こうした現状にもより目が向く▼廃棄されるはずの品を集めて安く流通させ、再利用を業にする新しいビジネスが相次ぎ生まれている。社会の構成が豊かになるし、多様な人が現状課題に関心を持ち、解決に臨むのは喜ばしい。ただ、廃材を生かし、安く提供すれば皆が幸せ-とはいかぬ面もある▼作物に限らず傷入りや形の悪い品は食味が悪い、劣化が早い、けがをするなど何かしら問題が心配される。廃棄はひとえに消費者の安心、安全への責任を果たすためだ。適正価格で買っている客への配慮であり、価値と信用を守ることは自身の生活の維持にもなる▼社会は生産から消費者へ届くまでの間で多くの人がそれぞれ責任をもって汗し、支え合いで成り立っている。消費側が「どうせ余るもの」とあぐらをかいたら産業が危うい。「こんなの売り物になんねぇ」との言葉の裏には作り手たちのとても切ない気持ちがある。
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