能登半島地震で大きな打撃を受けた石川県の伝統工芸「輪島塗」の復興を支援しようと、岡谷市地域おこし協力隊の渡辺陽子さん(36)が、地域ブランド「岡谷シルク」にちなんだエコバッグの販売を始めた。阪神・淡路大震災の経験者として、何かできることはないかと考案。”シルク岡谷”の伝統と技術を受け継ぐ宮坂製糸所(同市)の協力で作り、売り上げの一部を義援金として被災地に送る。
29年前、兵庫県宝塚市で大震災に見舞われた渡辺さん。被災したからこそ分かる思いもあるとし、「震災直後は支援が集まるものの、日がたつにつれて世の中の関心が薄れてしまう。長い目で応援していきたい」と力を込める。
輪島塗は、工程ごとに専門の職人が分業して作り上げる。渡辺さんと同製糸所は「技の継承によって生み出される伝統工芸が危機に陥っている。再興に向け、少しでも力になりたい」と話す。
オリジナルデザインのバッグは3種類。絵柄には糸を繰る工女、桑の葉と蚕、風呂敷などのシルク製品をあしらった。印刷技法の一つ、シルクスクリーンを使った味わい深い色合いが特徴。赤、グレー、生成りを基調に100枚ずつ作った。
バッグは昨年12月にプレゼント企画で商品化し、岡谷蚕糸博物館(同市)と同製糸所の各ショップで配布。1カ月ほどでなくなる人気ぶりだったため、今回復活させた。
価格は税込み1500円。同製糸所内ショップのほか、オンラインで購入できる。問い合わせは同製糸所(電話0266・22・3116)へ。
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