茅野市の農業に従事する女性らでつくる団体の会長を務める有浦順子さん(68)=同市豊平=が今年度、新たな生産者団体を立ち上げ、付加価値の高い野菜の栽培提案や買い取り販売を行う市地域おこし協力隊の古田俊さん(47)の支援を受けながら西洋野菜の栽培を始める。新たな取り組みのスタートを「畑開き」と銘打ち、8日に賛同者や野菜の納入先となるホテルの関係者を集めて同市湖東の畑で実施。一緒に野菜作りに取り組む意思を持った人の参加を呼び掛けている。
有浦さんは同市豊平で農家レストラン「かもすや」を営み、同市の団体「農村女性ネットワークちの」で会長を務めている。以前から市内で無農薬野菜の生産に力を入れていこうと考えていたところ、安曇野市でホテルや飲食店向けに少量多品種の西洋野菜を栽培している生産者集団「信州ゆめクジラ農園」が茅野市で新たに事業展開を図ることを知り、同農園を代表者とともに運営してきた古田さんと知り合った。
「畑開き」を行う畑は約700平方メートル。昨年秋から冬にかけて北佐久郡軽井沢町や北安曇郡白馬村の高級ホテルの関係者と茅野の生産者がホテルの敷地内の落ち葉を拾い集めて茅野市の畑に運び、混ぜ込んで土壌を改良する土作りの作業を行った。
1日には、賛同者が有浦さんの店に集まって事前の打ち合わせを行い、8日の作業の流れや畑にまく野菜の品種などを確認した。ゴルフボールほどの大きさの丸型人参「ラブリーキャロット」や地中海沿岸原産のサラダ用ハーブ「ローマ・ロッソ」など約30種類を育てる方針だ。
有浦さんは「今年度は生産者仲間を募り、事業のベースをつくる。将来的には若い世代の人たちに引き継いでいきたい。古田さんの力を借りながら、ホテルの皆さんに認めてもらえるような西洋野菜を農薬を使わずに作りたい」と意気込んでいた。
「畑開き」は午前10時から午後4時まで。参加費は昼食代として1000円。参加希望者は5日までに古田さん(電話080・5187・7365)へ。
茅野市は今年度、委託型地域おこし協力隊の古田さんに委託して、兼業農家や農業と他の仕事を組み合わせた「半農半X」と呼ばれる働き方を実践する市民、移住者、加齢に伴う体力の低下で軽量野菜の生産に切り替えた農家を支援する事業を新たに始めた。多様な農業の実践が可能な地域づくりを目指している。
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