伝統ある日本の絹文化の継承と未来への発信を目指す「日本絹文化フォーラム2024」が6月16日から、岡谷市のカノラホールなどで2日間の日程で開く。今年迎える岡谷蚕糸博物館(同市)の開館60周年・リニューアルオープン10周年記念事業の第1弾として企画。初日は「日本の色を引き出す糸の力」をテーマに、きものジャーナリスト中谷比佐子さん=東京=の基調講演、染織家の事例報告、パネルディスカッションを行う。
岡谷蚕糸博物館は1964年10月に同市本町に開館し、2014年8月に同市郷田でリニューアルオープンした。今年6回目となるフォーラムは、かつて製糸業で隆盛を極めた同市、同博物館、NPO法人シルク文化協会などでつくる実行委員会が主催。全国各地から養蚕、染織、ものづくりの関係者らが集う情報交換の場として開いている。
基調講演では、中谷さんが「日本人の色と糸」と題して話す。日本茜、紫根など日本古来の植物を使った染めの職人、栽培農家を取材してきた経験を基に、昔から伝わる美しい色彩を引き出す絹糸について語る。
活動事例では、染色作家の髙橋孝之さん=東京=、京鹿の子絞りの寺田豊さん=京都府=、西陣織の伝統技法「爪掻本綴織」の服部秀司さん=同=がそれぞれ報告。中谷さんをコーディネーターに、染織家3人によるパネルディスカッションもある。
16日は、諏訪地方の近代化産業遺産などの見学会を開き、同館や旧山一林組製糸事務所、初代片倉兼太郎の生家、片倉館を巡る。
髙林千幸館長は「専門家が一堂に会し、話を聴くことができる貴重な機会。多くの人にわが国の染織文化、技術の素晴らしさを感じてほしい」と話す。
両日とも参加無料。定員は初日のフォーラム200人、見学会20人。各日とも予約が必要。申し込み、問い合わせは実行委事務局の同館(電話0266・23・3489)へ。
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