6月に入り県内でツキノワグマによる人身被害が4件相次いでいることを受け、県は11日、野生鳥獣被害対策本部会議を県庁で開いた。人身被害を防止するため、同日から「ツキノワグマ対策集中点検」を実施することなど今後の対応策を確認した。
県内では1日に塩尻市、2日に南箕輪村で人身被害が発生。県は5日に「ツキノワグマ出没注意報」(8月31日まで)を初めて発令したが、7日に下高井郡木島平村、8日に上高井郡高山村でも遭遇した熊に手首などをかまれる人身被害が起きている。
集中点検は7月12日までの1カ月間実施する。県や市町村の職員などが直近に熊の目撃情報があった周辺地域を点検し、餌となる誘引物の防除や里地のやぶの刈り払い、鹿やイノシシ用の捕獲わなの設置状況の点検、指導などを行う。
県環境保全研究所によると、今年は親離れした体長が1メートル未満の若い熊(亜成獣)の目撃情報が木曽地域や北アルプス地域などで多発している。同一個体とみられ、人や里への警戒心が低い若い熊が餌を探して目撃されるケースが相次いでいるという。
県内の被害のうち3件が熊の活動時間である早朝や夕方に山林付近で遭遇していることから、県森林づくり推進課の塚平賢治課長は「早朝や夕方に山の近くを歩く際は熊鈴やラジオなど、音を鳴らして熊に存在を知らせてほしい」などと呼び掛けている。
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