中央アルプスで国特別天然記念物ニホンライチョウの生息数を増やす「復活作戦」に取り組む環境省は8日、4月下旬から7月にかけて実施した生息数調査で、中アには120羽以上のライチョウが生息していることが分かったと発表した。昨年の生息数は83羽と推測されており、昨夏に生まれたひなの多くが成長して冬を乗り越えたことになる。駒ケ岳周辺では6月末からライチョウのケージ保護も始めており、同省はひなの生存率を高めるために猿の追い払いや捕食者対策にも力を入れていく。
同省信越自然環境事務所(長野市)によると、ライチョウの縄張り数は、駒ケ岳や伊那前岳など宝剣岳から北側の地域で30前後、空木岳など南側の地域で30前後の計約60カ所と前年から約2倍に増加した。雄がつくる縄張りでは基本的に雌1羽が繁殖することから、120羽以上と推定される。
動物園から野生復帰させた個体では、2022年に放鳥した22羽はこれまでに6羽(雄1、雌5)の生存を確認。23年に放鳥した3羽(雄2、雌1)は全て生存していた。
駒ケ岳山頂付近で実施しているケージ保護では、復活作戦のきっかけとなった18年に発見された雌のライチョウ「飛来メス」の家族など3家族21羽(成鳥3、ひな18)を収容。悪天候の日を除き午前と午後の2回、家族をケージ外に出して”お散歩”させ、母鳥がひなに高山で生きるすべを教えている。
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