今年ももうそんな時期になるのか。そう感じさせるのが新語・流行語大賞である。その候補30語が5日に発表された。知っている言葉を数えてみたら約3分の1の11個。言葉は知らないけれどテレビで話題になったりしてなんとなく意味が推測できる「インバウン丼」や「コンビニ富士山」を合わせても半分ほど。年齢のせいか、なかなか流行に乗れなくなっているようだ▼逆に、よく見聞きしたのは「裏金問題」。記事でも何度も書いた。その年の世相を表す言葉というのなら個人的にはダントツで大賞。もっとも、受賞したとしてもいったい誰が受け取りに来るのだろうか▼新語や流行語は別だが、知らない言葉は辞書で調べるのが習慣。中学の頃から愛用している国語辞典もあるが、辞書によって異なる語釈があると知ったのは今の仕事に就いてから。中でも新明解国語辞典は独特の語釈で知られる▼「恋愛」は有名だが、「動物園」も話題になった事例だと知った。特に第4版。「生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設」-。動物園から抗議があったという逸話も残る▼動物目線ともいえる解釈。その是非はともかく、物事には多様な見方があることを教えてくれている気がする。「人間中心の」という言葉が胸に刺さる。
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