2025年1月26日付

2025/01/26 08:00
八面観

お金を入れてハンドルを回すと、手のひらに乗る大きさのカプセルが出てくる。透明なケースから中身が少しだけ見えるものの、開封するまでがお楽しみ。カプセル玩具である。そのワクワク感が魅力か▼昭和の時代に登場し、根強い人気を誇る。手頃な値段から、かつては子ども向けの玩具として注目を集めた。今では大人をターゲットにしたカプセルもあるという。中には1000円を超える高額な玩具も。大型商業施設には自動販売機がずらりと並ぶ専門店もある。訪日外国人にも人気らしい。日本を代表する文化の一つだ▼宮田村役場の玄関ロビーにもカプセルトイ自販機が設置されている。「村の良さをPRしたい」という地元中学生が模擬議会「こども議会」で提案したことから実現した。カプセルの中には村を紹介するグッズ。早速回してみると、心が和む品が入っていた▼各地の自治体で行われている子ども議会。柔軟な視点や発想から飛び出す質問は現職議員さながらだ。出された提案が実現した事例も少なくない。自分たちが住む地域の身近な課題の解決に向けて、真剣に考える姿は頼もしい。住民が自ら考え、行動するのがまちづくりの根幹だろう▼前出の宮田村で先般、新しい村長が決まった。無投票とはいえ、40代の若き首長は村民の大きな負託を受けた。カプセルを開封する瞬間のような、ワクワク感のある村づくりを期待したい。

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