2025年1月27日付

2025/01/27 08:00
八面観

1925(大正14)年に国内初のラジオの放送が始まってから今年で100年。気軽に情報を得られる手段であり近年は特に防災面での役割が注目されている▼雷雨で中止された2013年の諏訪湖祭湖上花火大会では情報伝達が課題に浮上した。会場アナウンスが聞こえない上、携帯電話がつながりにくく、情報が得られなくて困った―などの意見が寄せられた。実行委員会は翌年から対策を強化。桟敷席出入り口の担当者に携帯ラジオを配備して緊急情報を見物客に伝えられる態勢を取った▼今月17日に発生30年となった阪神淡路大震災。神戸市に本社を置く「ラジオ関西」は発生直後に奇跡的に無事だったスタジオを使って69時間連続で安否情報や被災地の状況を伝え続けた。被災者からは安否情報や救助を求める電話が殺到したという。こんな事例からも「災害時の情報発信に強いラジオ」の存在感を見直すことができる▼諏訪地方ではコミュニティーFM「LCV―FM」、上伊那では伊那市、箕輪町、南箕輪村をエリアとする「伊那谷FM」が開局している。災害時にラジオを通して情報が届くのは心強い▼東日本大震災の発生後、被災者を招待する事業で諏訪市を訪れた宮城県石巻市の住民から、地震の備えとして懐中電灯や乾電池などに加え、携帯ラジオが必要と聞いたことがある。ラジオ放送100年の今年。ラジオをもっと身近にしたい。

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