運転免許証の更新手続きを行うため、5年ぶりに訪れた警察署の窓口。順番を待つ長い行列に目を向けると高齢者の姿が目立つ。多くは現役のドライバー。車がなければ生活の利便性が著しく低下する地域ならではの光景だろう▼2019年からの5年間に県内で発生した交通死亡事故のうち、65歳以上の高齢運転者が第1当事者となった事故は約3割。加齢に伴う身体、判断能力の低下は深刻な事故を招く。高齢化社会を背景に免許の自主返納を求める動きが加速するのは理解できる▼60年以上にわたりハンドルを握り続けてきた高齢の母が免許の返納を決意した。老いの寂しさを実感するとともに、今は返納後の生活に不安を感じているようだ。日々の買い物や習い事に通う足を限られた選択肢の中からどう確保するか。家族としても自宅に引きこもりがちになることを懸念している▼政府補助金の縮小により高騰するガソリン価格。近年は車の走行距離に応じた新たな課税方式も検討されている。車の所有者に限定された負担軽減策を不平等と捉える声もあるようだが、公共交通機関が充実した都会での暮らしを享受する不平等にも目を向けてもらいたい▼免許返納は高齢者を排除する制度ではない。返納により暮らしが成り立たなくなってしまっては本末転倒。その後の生活を最優先に考えるべきだろう。弱者切り捨ての未来に「楽しい日本」はない。
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