2025年2月18日付

2025/02/18 07:59
八面観

イトーヨーカドー南松本店が今年1月に閉店した。2月末には松本パルコが営業を終了、さらに3月末には松本駅近くの井上百貨店本店も閉店する。松本での大型店閉店ラッシュが止まらない▼イトーヨーカドーは1998年、パルコは1984年にそれぞれ開業。井上百貨店に至っては1885年創業の100年企業。各店の閉店で200人以上の離職者が出るとの報道もあり、松本市民のショックは大きいだろう▼しかし中心市街地の空洞化は松本に限ったことではない。岡谷市でも市街地再開発事業として1984年に「ララオカヤ」が完成し、2・3階にイトーヨーカ堂が出店したものの営業不振でわずか17年で撤退。現在は廃虚化している。諏訪地方も同様ということだ▼共働き世帯の増加でかつてのように毎日買い物する人が少なくなり、週末に郊外の大規模店などに出かけてまとめ買いする行動パターンが定着したことで消費動向は大きく変化。ビジネス構造の変化も起き、実店舗に行かずとも自宅まで届けてくれるネット通販が幅を利かせ、郊外型大型店も苦戦を強いられている▼確かにネット通販は便利とはいえ、実店舗には実店舗だからこその楽しみや発見がある。地域コミュニティー活性化に貢献する実店舗がなくなるということは結果として地域の衰退をも招きかねない。とはいえわれわれ消費者は何をすればよいのか分からないのだが。

続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。