2025年3月6日付

2025/03/06 08:00
八面観

忘れもしない2011年3月11日午後2時46分。東北地方太平洋沖を震源とする地震による揺れと火災、大津波により未曽有の被害をもたらした東日本大震災。12都道府県で2万2000人以上の死者、行方不明者を出した。あれから間もなく14年が経過しようとしている▼地震発生時、コンビニで買い物中だったわたしは周囲の揺れにめまいだと思ったが、店員とのアイコンタクトで地震だと確信。外に飛び出すと目の前のビルがゆっくりと揺れていた▼事務所に戻り震源は東北地方と知り、遠く離れた長野での大きな揺れに地震規模の大きさを実感。甚大な被害を予感させた。その後のテレビ中継で映し出された津波から逃げ惑う車、水蒸気爆発を起こす福島第一原発の映像は今も脳裏に焼き付いている▼インドネシアスマトラ沖地震では22万人を超える人が亡くなり、その多くは津波によるものだった。津波の心配がない標高700メートル超の諏訪地域に暮らしていると不謹慎だが津波緊急速報を聞いてもどこか他人ごとに思えてしまう。しかし地震の怖さは津波だけではない▼世界で発生するマグニチュード6以上の大地震の約20%が日本とされている。阪神淡路大震災では建物倒壊で、関東大震災では火災によって多くの命が失われた。多少の揺れに動じなくなったわれわれだが、いつ地震が起きてもおかしくない国に暮らしていることを忘れてはいけない。

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