例えるならば諏訪地域の人口の半分が一夜にして消滅したことになる。1945年3月10日未明の東京大空襲は約10万人が犠牲になったとされる。80年前のきのうの下町はまさに焼け野原と化した▼その歴史を伝える東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区)を先日初めて訪れた。作家の早乙女勝元さんらが尽力し、民間の力で2002年に開館した。空襲にまつわるさまざまな資料や工夫された展示から関係者の「伝えたい」強い思いをひしひしと感じた▼長さ50センチ余りの筒状の焼夷弾の模型。片手で持ち上げてみると思ったより重い。これが数百メートル上から降り注ぐ光景を想像する。人に直撃したら命はないし、中に入った油脂が燃えて体に付着したら消火しにくい。炎が迫る中、逃げ惑う現場はどんな状況だったのだろうか▼「幼児たちの泣き叫ぶ声、そこかしこから念仏を唱える者、神様に祈る者等々、雑多である。あたかも地獄絵を見る思いであった」と体験者の証言が紹介されていた。想像を助け、理解が深まる。体験者ならではの言葉の重みだ▼センターでは20日、犠牲者の名前を声に出して読み上げる集いを開く。大きな数でひとくくりにされがちな犠牲者に思いをはせようとの願いが込められている。東日本大震災から、きょうで14年。死者は1万5900人、行方不明者は2520人。ここでも一人ひとり、かけがえのない人生があった。
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