2025年5月9日付

2025/05/09 08:00
八面観

気が付けば、65歳まであと1年を切った。いよいよ世間でいうところの高齢者の仲間入りである。生来、自分のことに疎いのだが、年を自覚せざるを得なくなった。体のあちこちにがたがきているのだ▼バランスが悪くなったのか、周りの物を認識する機能が衰えているのか、よろけたり、ぶつけたり、落としたりしやすくなった。60を過ぎてぜんそくになり、先日は帯状疱疹と診断された。これには参っている。とにかく痛い▼ぜんそくの診察で来院したところ、胸に聴診器を当てようとしたかかりつけ医が「これは帯状疱疹ですね」と。見ると右半身のおなかから背中にかけ、赤い発疹が帯のように連なっている。少々痛みは感じていたが、引っかいたのだろうと思って見もせずにいたので、そのひどさに驚いた▼表面の症状は薬の効果で治りかけているのに痛みは一向に引かず、強烈な一撃も時折襲ってくる。同年代の元同僚が「この年になると誰でも痛いところがあるよ」と言っていたのを思い出す。これからも痛みや病気に見舞われるだろう。付き合っていくしかないか▼半面で年を取るのも悪くないなとも。自分よりだいぶ年上の人たちがはつらつと活動する姿に感心させられ、叱咤激励されているかのよう。ゆっくりながら道を一歩一歩進んでいく光景に、ほのぼのさせられる。皆さん懸命に生きている。そんな、かっこいい年を取りたいものだ。

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