伝統朴葉巻き”映え”色に みはらしファーム

新鮮な朴葉を使って、一つ一つ手作業で製造する「ほおばってみらし」=伊那市西箕輪のみはらし米工房
伊那市西箕輪のはびろ農業公園みはらしファームで、木曽地方の初夏の伝統和菓子朴葉巻きを”みはらし流”にアレンジした「ほおばってみらし」の販売が始まった。ここでしか買えない商品として昨年初めて発売。試作を重ねた5種類のあんが最大の特徴で、もっちりした食感の餅も食べ応え抜群だ。ホオノキの若葉を採取して使うため製造期間は限られており、今年は6月末まで販売する予定。
朴葉巻きは、あんを包んだ米粉の餅を朴葉でくるみ、い草で縛って蒸し上げた初夏の風物詩。木曽地方では、ひと月遅れの端午の節句に合わせ、かしわ餅の代わりに各家庭で作られていたという。
「ほおばってみらし」は、若い人にも食べてもらえるようにと、餅に白玉粉を加えて「モチモチ度」をアップ。中に入れるあんは定番の粒あんをはじめ、イチゴ、栗、ずんだ、カボチャの計5種類を用意した。赤や黄緑、だいだい色など従来の朴葉巻きでは見られない”映(ば)える”色味が目を引く。
使用する朴葉は市が管理する西春近の山林など市内3カ所から採取。園内のみはらし米工房で毎日約80個ほど製造し、一晩冷ましてから翌日とれたて市場で販売している。
商品開発の中心になったのは、同市地域おこし協力隊の和泉翼さん(34)。イチゴとブルーベリーの端境期に、名物となる新しい商品を提供できないかと模索する中で朴葉巻きに着目。約1年がかりで独自の商品を完成させた。
価格はいずれも税込みで1房(5個)850円、単品170円。和泉さんは「昨年よりさらにおいしくなったと評判。これを機にみはらしファームに来ていただければ」と話している。予約、問い合わせはみはらし米工房(電話0265・74・1804)へ。