カワセミの生態紹介 笠原助教が本出版

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出版した本を手に本へのこだわりを語る笠原助教

河川や湖沼に生息する鳥類の研究を行う諏訪臨湖実験所(諏訪市)の笠原里恵助教(46)は、海外でも人気の高いカワセミの生態などを紹介する「知って楽しい カワセミの暮らし」(緑書房)を出版した。自身の経験や海外の文献を交え、カワセミが生息する河川やその周辺の生き物も紹介。「水辺の隣人である生き物たちとの付き合い方を考えてもらう一冊になれば」と話している。

笠原助教が鳥類の研究に関心を持つようになったのは、富山大学教育学部在学時に生き物の研究サークルに入ったのがきっかけ。その後、信州大大学院修士課程、東京大大学院博士課程を修了。2019年に故郷の諏訪臨湖実験所に入所した。同年、同書の監修者で山階鳥類研究所(千葉県)の森本元さんから声が掛かり、出版することになった。

書籍は、四六判で324ページ。「カワセミ(類)の基礎知識」をはじめ「カワセミと一緒に河川にすむ鳥たちと増水」「生き物に配慮した川づくり」など全7章で構成。フィールドの一つとする千曲川での調査に加え、1930年代~2022年の海外の文献をもとに河川環境や鳥の増減の変化なども紹介。自身の考えを交えながら河川の生き物と人との付き合い方も提案している。

「広範囲を扱うことで多くの人にとって読みやすい内容になったのでは」と笠原助教。「水辺は利水や治水のために改変されてしまうものの一つだが、生物多様性のためには環境保全の観点も必要。生き物の暮らしに想像を巡らせるとともに、人にも鳥にも優しい川に向けた手掛かりになれば」と話した。

税抜き2200円。岡谷市塚間町の笠原書店本店などで販売している。

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