夏風邪の一種ヘルパンギーナ 諏訪地方も急増
子どもがかかりやすい夏風邪の一種、ヘルパンギーナの流行が諏訪地方でも急拡大している。16日までの1週間に県諏訪保健所管内の5カ所の定点医療機関から報告された患者数は、前週比2.4倍の1定点当たり12.40人。警報レベル(同6人)を超え、今夏最多を更新した。RSウイルス感染症にかかる乳幼児も増えており、同保健所は「さらなる拡大も懸念される」として、手洗いの励行など感染予防を呼び掛けている。
同保健所健康づくり支援課によると、管内では6月上旬からヘルパンギーナの患者報告が出始め、26週(6月25日~7月2日)に1定点当たり7.00人となり、国が定める警報レベルを超えた。患者の中心は0歳~小学低学年。例年より早い時期から増加しているのが特徴で、過去10年のうちでは、大流行した2014年に次ぐペースで感染が広がっている。
全国・全県的にも流行が拡大しており、コロナ対策で免疫獲得の機会が減ったことも一因とされる。同保健所によると、症状はのどの痛みや高熱など。脱水症状にならないよう水分摂取を求め、「症状が治まった後も便には3~4週間ほどウイルスが排せつされる。おむつの交換では排せつ物を適切に処理し、しっかり手洗いをしてほしい」とする。アルコール消毒は効きにくく「せっけんと流水で手洗いを」と呼び掛けている。
RSウイルス感染症は16日までの1週間に、0~1歳の7人の患者が報告された。この時期としては多く、同保健所は「乳児期早期に感染すると重症化する恐れがある」と警戒。赤ちゃんがいて、他の兄弟に風邪症状がある場合はなるべく接触させないよう注意を促している。
小児がかかりやすい感染症の流行を受けて、同保健所は19日、市町村を通じて保育施設や子育て支援施設などに文書で注意喚起した。この1週間の新型コロナ患者は1定点当たり7.88人となり、同じく前週より増加した。