大阪府泉大津市と農業連携協定 南箕輪村

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南箕輪村は2日、減農薬、無化学肥料により村内で生産される特別栽培米コシヒカリ「風の村米だより」を大阪府泉大津市の学校給食に供給するため、同市と農業連携協定を締結した。農地が3%と乏しい同市は、米の安定確保に向けて供給してくれる生産地を探していて、販路拡大を目指す同村が手を挙げた。今年度産米から継続的に、年間10トン程度を供給する。

この日は泉大津市役所で、藤城栄文村長と南出賢一市長が協定書に調印した。

藤城村長は「地元が協力して育てる風の村米だより。大阪の都市圏で消費されることで農家のモチベーションも高まる。米も含めほかの農産物も高地の寒暖差により良質で、今後も広がりを持って連携を深めたい」とあいさつ。

南出市長は「子どもたちの食育と健全な育成につなげるとともに、有事の際の備えになるよう関係性を構築していきたい」と期待した。

人口7万3000人の泉大津市には11の公立小中学校があり、約5700人の児童、生徒が通っている。風の村米だよりは学校給食で使われるほか、就学前施設での提供も準備。災害時などに備えて当初は米の供給を基本にしているが、将来的にはそのほかの農産物や人的交流なども視野に入れている。

国内外を取り巻く情勢などから食料問題の深刻化に危機感を持つ泉大津市は3月、「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想」を策定。農家の減少や高齢化などで遊休地も増加する全国の生産地と連携し、共存共栄の関係を構築する取り組みを始めた。

減農薬や減化学肥料の農産物であることを供給の前提に、構想に賛同する自治体を公募。南箕輪村を含む北海道から沖縄県までの6市町村を選び、秋までにすべての自治体と連携協定を結ぶ運びだ。

風の村米だよりは村内の農事組合法人「まっくんファーム」や信州大学農学部、上伊那農業高校、JA上伊那などが連携し、2004年から研究、栽培。鶏ふんと米ぬかを原料とした有機肥料で、体にも環境にも優しい農産物としてブランド化して普及を推進。同法人が58ヘクタールで生産し、収量は年280トンに及ぶ。

20年から村内三つの小中学校の給食の米飯にすべて用いるほか、今年度から保育園でも未満児の昼食などで提供。村はライスメーカーやJAと協力して村内の妊婦に無料で贈る事業も始める。

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