CFで購入「信玄の書状」 県立歴史館で公開

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CFで購入した書状の写真を撮る来館者ら

県立歴史館(千曲市)は、インターネットを通じて寄付を募るクラウドファンディング(CF)で購入した「武田信玄(晴信)書状」を12日から期間限定で公開する。戦国時代の川中島合戦のさなかに、信玄が長野市松代を拠点とする寺尾氏が上杉方の拠点を落とした軍功をたたえる内容で、書状からは最前線で軍事活動を担う信濃武士の動向が読み取れる。20日まで。

CFは、京都の古書店から書状の情報提供を受け、初めて取り組んだ。昨年12月から今年3月15日まで募り、のべ200の個人や団体から、目標金額を24万円上回る339万円の寄付が集まった。

公開前日の11日は、寄付者を対象とした書状の特別公開を同館で開かれた。笹本正治特別館長は、書状の花押や手紙を折った際にできる花押の墨の写りから本物だと判断したと説明。書状の内容については、利益を求めて独自に行動して信玄に報告した寺田氏に対して敬意を払った丁寧な内容で即座に返事をしていることから、「最前線の信濃武士の動向が武田、上杉両氏の動きを決定付けていた」と解説した。

来場した60代男性は「1枚の古文書から、時代背景や当時の人々の思惑などさまざまなことが類推できた。歴史をひも解く醍醐味に改めて感銘を受けた」と話していた。

開館時間は午前9時~午後5時(入館は同4時30分)。観覧料は一般300円、大学生150円、高校生以下無料。

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