医療人材確保に強い懸念 諏訪医療圏構想会議

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2025年と2030年を見据えた対応方針が示された諏訪医療圏地域医療構想調整会議=1日夜、県諏訪合同庁舎

諏訪医療圏地域医療構想調整会議(座長・山﨑正彦岡谷市医師会長)は1日夜、諏訪市内で開いた。団塊の世代が75歳以上となる2025年、その先の2030年を見据えた対応方針を各医療機関が報告。県諏訪保健福祉事務所が構成員以外の病院や有床診療所の意向を伝達し、全て了承された。各機関は、医療ニーズの変化にも対応しながら圏域での役割を維持する方針だが、医師や看護師などが現状でも不足しており、安定的な医療人材の確保が最大の課題に挙げられた。

岡谷市民病院は「特徴でもある多機能を維持し、地域住民の医療を担う」と対応方針を示し、「そのために、長期にわたり安定的に人材を確保していくことが一番の課題になる」とした。「医師と薬剤師、ここにきて看護師の確保にも苦労している」(諏訪中央病院)、「医師の不足と高齢化。日当直業務の負担が大きくなっている」(富士見高原病院)など、継続的な人材確保は共通課題になった。

若年・生産年齢人口の減少や医師の働き方改革を見据えての意見も出た。諏訪赤十字病院(諏訪市)は、特定の診療科を除けば「ある程度、医師は確保されている」とする一方で、「来春から始まる医師の働き方改革に対応するにはまだまだやっていかないといけない」と強調。諏訪湖畔病院(岡谷市)は、市内の准看護学院が来年3月末で閉校する影響に触れ「看護師の獲得は非常に困難になると見込んでいる」と語った。

地域の課題では、諏訪共立病院(下諏訪町)などが人口減と少子高齢化による患者数の減少を挙げた。産婦人科医院からは慢性的な人手不足とともに、歯止めがかからない少子化を危惧する意見が寄せられた。

各医療機関への将来意向調査は昨年度実施。自院の現状や課題、25年、30年を見据えてどのような機能を担うかを尋ねた。25年の意向を集計すると、総病床数は現状(昨年7月1日時点)と変わらないが、一部で病床機能の転換が図られる見通し。30年の総病床数は25年比で18床の減になると見込まれている。

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