救急車適正利用を 諏訪広域消防本部が呼び掛け

諏訪広域消防の救急車。広域消防本部は適正利用を呼び掛けている
諏訪広域消防本部は管内の救急出動件数が増加していることを受け、緊急性の高い傷病者の対応に時間を要する事案が増えることを懸念している。同消防本部は「救急医療週間」(3~9日)に合わせ、「救急車の適正利用をしてもらい、救える命を救うことができない事態を避けたい」と呼び掛けている。
諏訪広域消防本部の2022年の救急出動件数は9488件(搬送人員8899人)で、15年度の消防一元化以降、最多となった。今年は7月末時点で5627件(搬送人員5335人)で、昨年同期比384件(403人)増。同消防本部はこのペースだと年内の出動数が1万件を超えるのではと予測している。
同消防本部によると、昨年の搬送人員は65歳以上が約70%、次いで18歳以上~65歳未満が約24%だった。高齢者数がピークを迎えるとされる2042年までは救急出動件数が増加すると予想し、通報から搬送までに時間がかかる事案が増える可能性もあるという。
こうした状況を踏まえ、同消防本部は、軽い症状の場合は自分で医療機関を受診する、家族やタクシーなどを呼んで病院へ行くことを勧めている。また、救急車を呼ぶか迷った際には「子ども医療電話相談#8000(午後7時~午前8時)」や、10月1日から県が開始する、医師や看護師、相談員が対応する「救急安心センター事業(電話#7119)」も利用できる。このほか、総務省消防庁が作成した救急受信アプリ「Q助」では、アプリ内の質問に答えると症状の緊急度を迅速に判定し、救急車を呼ぶか判断する目安にすることができる。
同消防本部は「命に関わる病気やけがで病院に行かなければならない場合は迷わず通報してほしい」としつつ、「緊急性の高い人の所に1分1秒でも早く救急車を手配したい」と話している。